ブックタイトルMedetta! Vol.23 2018 Winter 電子版
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Medetta! Vol.23 2018 Winter 電子版
好みではなく、周囲への気遣いそれが、私たちの考える“相応しさ”です。完全予約制で自分だけのオーダーメイドスーツを仕立ててくれる。「ドット・テーラー」では着心地の良さ、スタイリッシュであることは前提に“相応しさ”を提供するテーラーリングを旨としている。生地、ボタン、裏地を選び採寸し、カスタマーの要望に沿って仕立てていくのが通常のテーラーの手法だが、「ドット・テーラー」のスーツは、好みやトレンドよりも着る人が、他者からどう見られるかということにもっとも重きを置いた提案を行うのだ。カウンセリングではカスタマーの好みよりも、ニーズに応じたスーツづくりをするためにいつ、どこで、どんなシーンで、どのように着用するかを質問していく。「お客様の自己満足ではなく、袖を通したときに、周りの人から評価されるスーツを仕立てることが使命です」山梨店のフィッター、小山さんは言う。店舗コンセプトは南青山の店舗と同様に「英国の社交場」という共通の世界観を表現。伝統的なブリティッシュテーラーをモチーフとしながら随所にモダンな要素をプラスした空間になっている。アロマが焚かれた香りに癒されつつ、リラックス出来る環境が整った空間はそのこだわりを覗ける。シューズカウンターではその日履いている靴を綺麗に磨いてくれるサービスもあり心遣いを感じさせた。ひとつひとつスーツに合わせてつくられた名入りの木製ハンガーや、アフターケアとして厳選されたクリーニング業者と提携し、コンディションを整えてくれる。さらに、職人と直接やりとりし、型、素材、縫製などこだわりぬかれたオリジナルのネクタイ、カバン、ベルト、カフスやチーフを販売しており、どれも逸品である。小物ひとつとっても、徹底したものづくりのクオリティを追求する。「日本の職人の技術は世界的にレベルが高い。価格競争などせず、職人のポテンシャルを活かせる理想のプロダクトをつくる機会を創出し、クラフツマンシップを伝えていくことが大切です」と、代表の松井さんはスーツにまつわる生産背景まで含めてヴィジョンを語る。いずれは松井さんの地元でもあるここ山梨に、高い技術を持ったスーツ職人の生産拠点を新たに設けたいという展望もあるようだ。青山に本店を構えるオーダーメイドスーツテーラー「ドット・テーラー」は2018年3月に山梨の店舗をオープンした。「ドット・テーラー」が大切にしているのは“相応しさ”。いわく“相応しい”スーツというものは、自分の好き嫌いや個性の主張よりも、他者にどう映るかが大切なのだ。ようこそ。“相応しさ”を着こなす「社交場」へ。45