ブックタイトルMedetta! Vol.22 2018. Autumn 電子版

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概要

Medetta! Vol.22 2018. Autumn 電子版

2015年ノーベル生理学・医学賞受賞を受賞した大村智教授は韮崎市に自身のアートコレクションと美術館をすべて寄贈した。2007年より私設美術館として開館していた大村美術館が市営になったのは翌2008年のことだ。展示の中心は主に女流作家の作品だ。大村教授は女子美術大学と関わりがあったこともあり、女流作家に深い思い入れを感じているという。また、戦後の日本画壇を代表する鈴木信太郎の作品のみを扱う展示室ではスケッチブックなど貴重な資料を網羅する。展望室のカフェでは陶磁器と山梨ゆかりの作家の作品を展示している。これらはすべて研究のさなかに、40年にわたって大村教授が訪れた国や土地で蒐集されたもの。その数は2000点以上にのぼる。企画展は時期によって、所蔵作品からテーマに沿ってキュレーションされている。訪れるたびに新しい作品に出会うことができるだろう。開館10周年を記念して作られた大村智記念室では、大村教授の研究の歩みから趣味に至るまで、バラエティに富んだ内容の展示が見られる。オリジナルのスキー板、幕末三舟の掛け軸、ミュシャにマイセン。宝物庫のような部屋である。しかし、いちばんの宝物は大村教授の研究により救われた世界中の多くの命であることは言うまでもない。韮崎大村美術館04nirasaki omura art museum偉大なる化学者は芸術をこよなく愛するいわく、優れた美術品は、個人だけで楽しむものではなく人類の財産であるという大村教授の思いから美術館開館に至っている。展望室は大村教授のこだわりで韮崎一帯と周囲の山々を眺望できるつくりになっている。八ヶ岳や富士山、季節の景色を芸術のように楽しむ。粋なはからい。「私の人生に芸術がなければさぞつまらない人生だった」ノーベル賞を受賞した偉大なる化学者も美術品に心を救われたことが語られている。韮崎大村美術館 韮崎市神山町鍋山1830-1 Tel/Fax:0551-23-7775開館時間:4月~ 10月 10:00-18:00/11月~ 3月 10:00 ~ 17:00(入館は、いずれも閉館の30分前まで)休館日:水曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)展示替え期間、年末年始(12月29日~ 1月3日)http://nirasakiomura-artmuseum.com/general-infomation/74