ブックタイトルほぼハッピーマガジン Medetta! Vol.009 電子版

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ほぼハッピーマガジン Medetta! Vol.009 電子版

県内の人にも「そこどこ?」と、聞かれることが多いという芦川。どんな山奥かと思っていると(失礼!)、一宮御坂インターから30分ぐらいで到着。町の中心を清流が流れ、立派な石垣や古民家が点在する静かな山間の集落だ。「こんにちは」。築100年の古民家で出迎えてくれたのが、「芦川ぷらす」代表・保要佳江さん。この古民家をリノベーションし、1日1組限定の宿「LOOF」としてひとりで切り盛りしている。屋根の高い古民家はとても静かで、囲炉裏の火だけがパチパチと音をたてる。部屋は古民家の佇まいを活かし、それに似合うファニチャーでコーディネートされ、訪れた人をやさしく癒す。水まわりは現代の利便性を兼ね備え、快適そのものだ。保要さんはこの宿の掃除から、コンシェルジュとしてのお客さま対応、夕飯も彼女がひとりで準備する。キツイ仕事なのに、なんだかとても楽しそう。「好きな仕事だから続けられます。これまでのことを考えたら、今はとても楽しいですね」。華奢な彼女のどこに、これほどのバイタリティが隠れているのだろう。した。東京と芦川を行き来しながら、夏は河原で、秋は山梨ヌーヴォーとともに楽しむなど年4回開催し、年間200人もの人が芦川を訪れた。「話題づくりにはなりましたが、地域にお金が落ちるわけでもなく、これでは続かないなと。芦川は古民家が150棟も残っていて、なにかビジネスとして継続できる形をつくれないかなと思い、古民家宿をはじめました」。古民家を貸してくれる大家を探し、交渉を重ねた。保要さんの熱意が実り、自由に改修していいという許可までおりた。インターネットを通じてボランティアを募り、半年で100人もの人が改修を手伝ってくれたそう。東京の会社の飲食店で店長をしていた保要さんも会社をやめ、早朝は旅館で、夜はバーでバイトをしながら改修に取り組み、昨年10月に無事、古民家宿「LOOF」がオープンした。2年前から「芦川ぷらす」として、幼少期を過ごした芦川のために活動していた保要さん。昔からこの町に特別な思いがあったのだろうか。「小さい頃は田舎が嫌で、ずっと国際協力の仕事をしたいと思っていました。大学時代は留学したり、アジアやアフリカの農業指導者を育成する学校へボランティアに行ったり。そこで、まず身近な問題を解決できなければ、国際問題など解決できないということを学んで、地元のことを調べてみたんです」。芦川の人口は65歳以上の人が半数以上も占め、10年以内に消滅するといわれている限界集落だと知る。自分ができることは何かと考えた保要さんは、「村おこしをしたいから勉強させてほしい」と、東京で農産物の生産から流通までを手がける会社の社長に直談判。その場で採用された。「村おこしといっても何をすればいいかわからなかったのですが、芦川の茅葺の家で何かイベントをやろうと思いました」。最初にはじめたのは古民家でシェフがフレンチをふるまう〝囲炉裏フレンチ?。準備は就業時間後、夜遅くまで打ち合わせを「今でも私の夢は国際協力。今は修行の場で、鍛えられてよかったと思っています。ある程度のことでは負けませんから(笑)。国際協力と村おこしってすごく似ていて、小さい頃は田舎が嫌でした。でも今は好きです。やっぱり落ち着くから20